裏地でも着ている人のセンスが出る八掛
八掛は裾廻しともいい、袷着物の袖口や裾の裏に胴裏と合わせてつける布地のことを指します。
ちなみに裾廻し以外の場所に用いられる裏地は上裏と呼ばれます。
袖口、衿先、衽、前身頃、後身頃に使うのですが、昔は袖口には別の袖口布を用いていたので袖口抜きの計八枚で裁って用いていたことから、八掛と呼ばれるようになったそうです。
ちょっとした動きからでも見えることもあり、着物地と裏地の色合いが絶妙だったりすると、「見えない場所のおしゃれにも気を抜かない」とおしゃれアイテムにもなるのです。
絶妙な配色でなくとも表の着物や帯と合うような色を選ぶ必要がありますし、裏地とはいえ色が気に入らないと染め直すという人もいるそうです。
なお、裾廻しは交換することも可能です。
八掛に用いられる布の種類は布の端だけ染めたぼかし布と一色同じ色で染めた無地があります。
ぼかし布は着物が白かったり、淡い布を用いているときに裏地が透けて見えないようにするため、裏地の境目が見えないようにするために用いられます。
一方、着物地は淡い色なのに多少透けてもそれが「粋」であるならばあえて濃い色の裏地を選ぶ人もいて、人それぞれの好みやセンスが出やすい部分でもあります。
裾廻しの配色ですが、着物の色と同系色で明度を変えた記事を選べばフォーマルな印象になりますし、反対色を選ぶと粋な印象を与えます。
どのような場所に着ていく着物かによって選ぶ布も変わってくるでしょう。